◇RECOMMEND GUIDE!!◇ショールファッションガイド◇

トップページ

●ショールの由来●


ショールは、インドカシミール地方の男性が防寒用に着用していた、伝統的な衣装が発祥であるとされています。つまり、そもそもは男性が身につけていたということ。正方形のものを斜めに折り、三角形にして肩から羽織るのが一般的でした。
ショールに似た男性の防寒用上着としては、マントがあります。マントは、狩猟民族が獲物の皮を剥いで防寒用にしたものが由来であると考えられています。面白いのは、ショールもマントも共に、そもそもは男性用の衣服であったものが、女性も着用するようになってから、さらに普及していったということ。よく、「ズボンをはく女性は変だとはいわれないのに、なぜスカートをはく男性は普通ではないとみなされるのか」という疑問を耳にしますが、男性の衣装を女性が身につけるという文化は古くからあった、ということからかもしれません。これらのショール・マントといったアイテムの多くも、男性用のものとして発明されて、女性の衣服として浸透していったようです。
さて、カシミールにおいてショールが作られはじめたのがいつかは定かではありません。ただ、17世紀頃にはすでにあったようです。すべて手織りのもので、さまざまな色合いの糸を使用し、凝ったものは2〜3年ほどかけて織りあげられていたといいます。その後、この美しい織物はシルクロードを経てヨーロッパなどにも運ばれ、一種のステイタスシンボルとしてもてはやされました。



    ●ショールの故郷カシミール●


    それでは、カシミール地方とはどのような場所なのでしょうか。インドの北部に広がり、パキスタン・中国と接するこの地方は、標高8000メートルクラスのカラコルム山脈がそびえる高地。気温は低く、紫外線の影響も強く受けることになります。そのため野外で活動するときの防寒用になり、紫外線除けともなるショールが早くに発明されたのでしょう。
    カシミールの宗教感は独特だといわれています。そもそも、インドと隣国のパキスタンは、「インド帝国」というひとつの国でした。しかし、イギリスの植民地から独立するとき、イスラム教を信じる人々はパキスタンという国を起こし、ヒンズー教を信じる人はインドという国を起こすことになりました。ただ、カシミール地方は少し事情が違いました。地方を統べる王はヒンズー教徒でしたが、住んでいる人々の多くがイスラム教徒だったのです。しかし、独立時のゴタゴタのためにインドへ帰属することとなり、ヒンズー教の影響を強く受けることになりました。そのためカシミールの人々は、イスラム教徒でありながら、太陽や自然に神が宿るというアニミズム的な感覚をも有しているといいます。
    「自然と共に生きる」という感覚が、ショールにどのような影響を与えたかはわかりません。しかし素材を丁寧に扱い、細かい模様を作りあげるという手法は、自然に対する感謝の気持ちにあふれていると思えないでしょうか。

    ショールファッションガイドのBookmark